オレゴン州、電気自動車振興のリーダーで受賞の栄誉に輝く 〜オレゴンが国際産業団体に表彰された最初の州に〜

2010年11月、オレゴン州は交通システムの電化に指導的な役割を果たしたとして、米電気駆動車協会(Electric Drive Transportation Association=EDTA)から同州にEビジョナリー賞が授与されたと発表しました。
将来の電気自動車の普及に不可欠な充電スタンド・ネットワークを含むインフラ整備のほか、電気自動車の実践的かつ広範な利用支援・振興につながる奨励制度を成功させたオレゴン州が評価されたものです。
EDTAのブライアン・ウェイン理事長は、「環境にやさしい交通機関の実現に向け前例のない大きな前進を果たしたオレゴン州を置いてほかに、この賞にふさわしい受賞者は見当たりません。オレゴン州が実施した電気駆動推進モデルは、わが国そして広く世界の模範となるでしょう」とコメントしています。
この産業賞を授与された米国の州はオレゴンが最初です。授賞式は2010年11月9日、中国・深セン市(センはつちへんに川)で開催中の2010年電気自動車シンポジウム&エキジビション(EVS)会場で行われ、州知事を代理してオレゴン州経済開発局のティム・マッケイブ局長が式典に出席しました。
州知事は、「次世代電気自動車分野の先駆者として、また消費者としてもオレゴンが米国のリーダーとなるであろうことは3年前に感じていました。今回の国際的な受賞は、化石燃料駆動車を廃して、排気ガスのないゼロ・エミッション車両に替える交通電化システム開発の世界的リーダーを目指したわが州の先見の明とその計画の実行力が評価されたもので、わが州の港湾施設や製造業、各自治体にも経済効果をもたらしています」と述べています。
とくにこの1年間で電気自動車市場を支えるインフラづくり、および新しい次世代通勤車両普及の米国における基盤構築を著しく発展させたオレゴン州の貢献が、広く認められることとなりました。
オレゴン州による前進の一部を以下に紹介します。
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オレゴン州は、全国産業復興法に基づく資金援助で実施された電気自動車(EV)プロジェクトにおいて初期実施5市場のひとつに選ばれ、米国で最も多くの電気自動車を導入し、充電スタンドを設置します。同プロジェクトでECOタリティ社は、日産自動車と提携し、約900台の電気自動車(ニッサン・リーフ)のオレゴンへの配車を予定しています。
▼ 同EVプロジェクトではさらに、ポートランド、ユージーン/スプリングフィールド、セーレム/カイザー、コーバリス/オールバニ、メッドフォード/アシュランドの各地域に、合わせて1,100カ所のレベル2公共充電スタンドを設置します。また、州間幹線高速道I−5号線沿い45カ所に急速充電スタンドを設置して、上記主要都市間の幹線道路利用の利便性を確保します。この「レベル2」の充電施設は、オレゴン西部地域で2011年春にも稼働開始が予定されています。
▼ オレゴン州政府は、連邦政府による電気自動車奨励策に加え、市場に投入される新世代電気自動車の初期費用を賄えるよう1,500ドルのオレゴン奨励金制度を設けました。このほか、充電スタンド設置を促進するための優遇制度も設けました。
▼ オレゴン州運輸局(ODOT)は、ユージーンから南のアシュランドまでの州間道I−5号線に、残量ゼロ状態から30分で満タン充電可能なEV用急速充電スタンドを最大8カ所まで設置できる、復興法による70万ドルの基金を獲得しました。この資金はオレゴン州エネルギー局を介して調達したもので、現行のポートランド都市圏から南のユージーンまでの州間道I−5号線沿いのEV急速充電インフラを補完することになります。
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ODOTは2010年10月、直流急速充電スタンドの設置を目的として、TIGER IIと呼ばれる連邦競争補助金制度を利用して200万ドルを獲得しました。一連の急速充電スタンドは、小都市を含むオレゴン州北西部全域、および国道US−26号線、州間道I−84号線、国道US−20号線、州道OR−18号線、州道−99W号線、国道US−101号線沿道の主要都市や観光地に設置される予定です。
州知事は、「太平洋岸北西部を中心にオレゴン州には、電気自動車の採用と再生可能エネルギーの積極的な開発を通じたエネルギーの自給化を促進し、アメリカをけん引しようとする力がみなぎっています。わが州の公益事業体・公共施設などの協力で、オレゴンは所期の目的を果たし、民間投資を通じた新たな経済機会の誘致にも取り組みました。今回の受賞は、オレゴン州のリーダーとしての足場をさらに強固なものとし、この新興産業分野において、将来に向けさらに大きなビジネス・チャンスへの道を拓くものと期待しています。」とも述べています。
なお、このEビジョナリー賞は、バッテリー・ハイブリッド&燃料電池・電気自動車欧州協会(AVERE)からオランダ・アムステルダム市に、また、アジア太平洋電気自動車協会(EVAAP)から中国・深セン市にそれぞれ授与されました。
米電気駆動車協会(EDTA)は、環境にやさしい持続可能な交通機関のコア・テクノロジーである電気駆動装置の普及を目的に活動する卓越した業界団体です。電気駆動技術の採用を促進する団体として、EDTAは業界の意見をまとめるとともに、電気駆動関連の教育および情報の発信源としての役割を担っています。加盟企業は、さまざまな車両・機器製造メーカーやエネルギー供給者、部品サプライヤー、末端消費者などで構成されています。
世界自動車協会(WEVA)が主催する一連の世界電気自動車シンポジウム&エキジビション(EVS)は、教育機関や官民の専門家らを対象に開催される電気駆動テクノロジーに特化した他に類を見ない優れたイベントとして評価されています。WEVAは、アジア太平洋電気自動車協会(EVAAP)、バッテリー・ハイブリッド&燃料電池・電気自動車欧州協会(AVERE)、米電気駆動車協会(EDTA)の連合体としての役割を果たしています。
The EV Project

2009年8月、米・エネルギー省は電気自動車の需要拡大のため、エレクトロニック・トランスポテーション社(eTec)およびその提携企業と総額1億ドルに迫る米国史上最大規模の電気自動車(EV)の配備および充電基幹施設整備に関する事業契約を締結しました。このプロジェクトは2009年10月より開始されており、日産リーフおよびEV用充電器(チャージング・ステーション)が、オレゴン州、ワシントン州、カリフォルニア州、アリゾナ州、テネシー州の5州と、新たにテキサス州、ワシントンD.C.を加えた計6州15都市1特別区に配備されることが決定しています。(2010年7月15日現在) また、2013年までにこのプロジェクトが全米に広がることとなり、その後のEV普及、及びインフラ整備の効率的な展開に反映されることが見込まれています。
それぞれの予定地には最大1,000台のEV配置に加え、レベル2のEV充電器(220V)2,000台以上とレベル3のEV充電器(急速充電器)約50台が導入されます。EVの導入は2010年末を予定、EV充電器は既に導入が開始されています。この充電器は産業界で認められた基準を満たしており、日産リーフに限らず他社製のEV車両にも対応が可能となります。
今回のプロジェクトで発注された分のEVとインフラ整備事業を調査・研究することで、次の500万台のEV配備につなげることも可能になると言われています。さらに、このプロジェクトでは、清浄環境の向上に直接貢献するとともに、石油依存度を低減し、全米に2012年までに750、2017年までに5,500もの新たな雇用の創出を実現するとみられています。
■関連団体/提携企業
- エコタリティ社(ECOTality)/eTec
- 日産
- 配備地の自治体政府および公共施設
- 研究およびデータ分析:アイダホ国立研究所、オークリッジ国立研究所、オハイオ州立大学、およびカリフォルニア大学デーヴィス校
- 業界参画:関係企業多数
■EV充電器インフラプラン
- 1配備地につきレベル2のEV充電器 約2,000基
- 住宅街立地 約1,000基
- 商業地区立地(小売店、商店街など)、公共地区立地 約1,000基
- 1配備地につきレベル3のEV急速充電器 約50基
- 交通が頻繁な地域、その他戦略的ロケーションに設置予定
オレゴン州の電気自動車(EV)事情
2008年末のルノー・日産アライアンス、2009年4月の三菱自動車と、オレゴン州は主要自動車メーカーの北米における電気自動車走行試験地として選ばれています。これらの事実から、オレゴンは電気自動車の最重要マーケットとして位置付けられていると言えます。
ポートランド市に本社を置くPortland General Electric(PGE)社は、オレゴン州政府と共に日産・三菱両自動車メーカーらとEV普及に向けた協力関係にあります。そのPGE社は、2008年7月に初めて同社の本社前にEV充電器を設置したのを皮切りに、オレゴン州内20ヶ所にEV充電器(レベル2)の設置を完了しており、利用者は無料で充電することができます。また、PGE社以外の充電器も合わせると、州内には現在36器が設置されています。
オレゴン州内EV充電器マップ>>
非営利組織(NPO)であるオレゴン電気自動車協会(Oregon Electric Vehicle Association: OEVA)は、EVに関する教育や啓発を目的とした団体であり、年に1度夏に『EV啓発デー』を催しています。OEVAの会員が個人的に保有するEVの展示や、EVの購入希望者に対する情報提供を行っています。オレゴン州政府は、これらの機関との協力のもと、EV普及の前提条件となるインフラ整備を積極的に推進しています。
このような次世代型自動車普及にオレゴン州が積極的である背景には、オレゴン州が「全米でも最も環境に優しい州」として評価され、またポートランド市が「1人当たりのハイブリッド車所有率が最も高い街」、「カーシェアリング発祥の地」であること、そして政府・企業・住民が率先して環境保護を考え、環境ビジネスを支えていることに繋がると言えます。
I-5 EV Corridor 構想

西海岸の大動脈的機能を果たす高速道路「I-5」。このハイウェイの一部区間、オレゴン州ユージン〜カナダ・ブリティッシュコロンビア州バンクーバーまでの全長約450マイルで、「I-5 Electric Vehicle Corridor」(電気自動車高速回廊)構想が策定されています。3州に及ぶ区間には約1,000万人が住んでおり、一帯は環境意識の非常に高い土地柄です。沿線の州政府、自治体、電力会社らは相互の協力のもと、これら一帯を世界各国の電気自動車が集まる一大集積地となるよう取り組んでおり、また地域の住民が区間内にある他の地域に電気自動車でスムーズに移動ができるよう、一定区間ごとにEV充電器が配備される予定です。
【関連サイト】
The EV Project
EV Roadmap
オレゴン電気自動車協会(Oregon Electric Vehicle Association: OEVA)
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